総領事館からのお知らせ:安全対策情報等:4月
平成27年4月10日(総15第09号) 在デンパサール日本国総領事館
1 治安情勢
インドネシア国家警察テロ特別捜査隊は、3月上旬、中部スラウェシ州において、テログループ関係者6名を相次いで逮捕し、手製爆弾や銃に加え、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)の旗などを押収したほか、4月上旬には、警察の摘発に銃で抵抗したテロリスト2名が射殺されました。また、ジャカルタ周辺や東部ジャワ州でも関係者が逮捕されています。このように、インドネシア国内では、警察によるテロリストの摘発が度々行われているほか、
ISIL支援者への監視や取締りが継続しています。バリ州においても、ISIL支持者等の流入に対して監視を強化する動きがみられます。当地においては、テロに関連した事案は発生していませんが、こうした状況を踏まえ、引き続
きテロ関係情報には御注意下さい。
2 一般情勢
(1)狂犬病
バリ州保健局によれば、犬に咬まれる事案が増加傾向で、1日あたり少なくとも120件発生している由です。また、本年中、狂犬病で既に3人(ギアニャール、バンリ、ブレレン県各1人)が死亡しており、犬に対するワクチン接種が更に必要とされています。狂犬病は、狂犬病ウィルスに感染した動物(犬、猿、猫、ネズミ等)に咬まれてウィルスが体内に侵入し、明確な自覚症状がないまま、同部位からウィルスが徐々に神経を伝って脳へ上行し、脳炎を発症した場合にはほぼ間違いなく死に至ります。こうした動物に咬まれた場合には、狂犬病の発症を防ぐため、即刻、ワクチン接種等の治療を受けることが必要です。
(2)一般犯罪被害
最近、銀行等を出た後に盗難被害に遭うケースが多く発生しています。被害者は外国人に限らず、典型的な例としては、ATMで現金を引き出した後のひったくり被害、銀行等で現金を引き出して車の中やオートバイ座席下に収納したまま、いずれかへ立ち寄った際の車上狙い被害など、犯人が銀行等から出てきた者に狙いを定めて跡をつけ、被害者の隙を窺って犯行に及ぶといった手口です。銀行、ATM、両替商など、現金を取り扱う場所へ行く場合には、こうした状況を念頭に置き、追尾する者がいないかなど、くれぐれも御注意ください。
(3)デング熱
本年初頭から、各地でデング熱の感染が多く見られています。バリ州保健局は、感染のピークを4月と予想し、注意を呼び掛けています。平素からの防蚊対策に努めるとともに、デング熱は、人から人へ直接感染しませんが、家庭
内や会社内でデング熱患者が出た場合には、患者を刺した蚊が媒介となって、更に他の者への感染するリスクもありますので、特に御注意下さい。
3 邦人事件・事故関係
(1)ナイトクラブで飲酒後のひったくり・スリ被害
累次お知らせのとおり、『クタ/レギャン地区で、深夜・早朝までナイトクラブで飲酒後の旅行者が狙われている』ことに加え、最近では、『オートバイに乗った犯人によるひったくり』、『夜間のレギャン通りで、集団に囲まれて話し掛けられている隙に、ひったくりやスリ被害に遭うケースが多発』しています。当館としても、警察に対して警戒強化の要請を行っていますが、こうした状況を踏まえた行動と十分な警戒が必要です。なお、最近報告された被害は次のとおりで、いずれの被害もナイトクラブを出たところから犯人に狙われていた可能性があります。
【スリ被害】
3月14日午前4時頃、邦人旅行者(女性グループ)が、ナイトクラブからホテルへ帰ろうとレギャン通りを歩いていたところ、数人の若い男に囲まれ、話し掛けられている隙に、旅行者のうち1人が所持していたポーチのチャックが開けられ、旅券及びスマートフォンが抜き盗られた。
【ひったくり被害】
3月12日午前3時頃、邦人旅行者(カップル)が、ナイトクラブからホテルへ帰ろうとレギャン通りを歩いていたところ、走行してきたオートバイに乗った犯人に肩掛けにしていたバッグをひったくられた。
(2)空き巣被害
3月19日夜、クタ地区において、邦人旅行者(男性)が滞在していたロスメンの個室出入口錠が壊され、室内にあった財布等が盗まれる被害に遭いました。なお、被害者は、頻繁に当地を訪れ、毎回同じロスメンを利用して2ヶ月弱の期間滞在しており、犯人は同室に邦人が滞在していることを承知で、且つ、被害者の行動パターンを踏まえて犯行に及んだものと思われます。
(3)ホテル客室内での盗難被害
3月17日、クタ地区において、邦人旅行者(女性グループ)が、ホテル客室内のセーフティーボックスに入れておいた財布から、現金5万円が抜き盗られる被害に遭いました。なお、同行者が共有して同ボックスを使用しており、同ボックスが施錠されていなかったことが後に判明した由です。一部のホテルでは、客室内のセーフティーボックス自体が荒らされたり、ホテル従業員の関与が疑われたりする盗難被害も発生しています。宿泊は、信頼のおけるホテルを選択するとともに、貴重品は中身を確認した上でフロントのセーフティーデポジットボックスに預けるなど、貴重品の管理には十分に御注意下さい。
4 その他
(1)出入国カードの運用廃止
インドネシア入管当局によれば、外国人の出入国審査に際し、これまで旅券と共に出入国カードを提出する必要がありましたが、この度、同カードの記入・提出の義務が免除されました。本件運用の開始時期は各空港入管事務所によって異なり、バリ島のングラ・ライ国際空港は4月1日から、ロンボク島のプラヤ国際空港は3月から開始されています。これにより、同カードを提出する必要はありませんが、通常の出入国手続(入管係員による旅券への出入国印の押印)において出入国印が押されているかどうか、確認するようにして下さい。なお、税関に対する税関申告書の記入・提出は従来どおり必要です。
(2)インドネシア政府による査証免除措置
インドネシア政府が導入を検討中の査証免除措置については、報道等で伝えられていますが、その内容や施行時期は未だ正式に発表されておりません。報道等により予断することなく、インドネシア政府の正式な発表を待って対応するようにして下さい。
以上