【総領事館からのお知らせ:安全対策情報等:11月】
平成26年11月14日(総14第21号在デンパサール日本国総領事館
1治安情勢
10月20日、ジョコ・ウィドド新大統領の就任式等が無事に行われたほか、26日、閣僚名簿の発表(翌27日閣僚就任式)など、当国における重要な政治的動きがありました。また、国会では議長や委員長の役員人事に関し、与党陣営と野党陣営の対立が見られています。これらに関連した治安上の大きな問題はこれまでのところ発生していませんが、今後は、近く、石油燃料値上げが見込まれており、引き続き、治安に関連した情報には御注意下さい。
2一般情勢
(1)事件・事故等
10月20日、サヌール地区在住の英国人男性が集団で暴行され殺害される事件が発生しました。複数の犯人は逮捕されましたが、事件の背後には同男性のインドネシア人妻が絡み、犯人達は殺人を請け負ったとの報道がなされています。
11月4日、ウブド近郊のアユン川でラフティングを行っていたインド人観光客が、ボートに同乗するガイドの指示・誘導に従わず、危険な行動を行った結果、岩にぶつかった拍子に川に投げ出され、その後流されて死亡する事故が発生しました。
11月7日、レンボンガン島からサヌールに向かっていたスピードボードが火災を起こし、外国人観光客を含む乗客16名は海に飛び込みましたが、幸い、近くを航行中の船に全員救助されました。なお、同事件では外国人を含む4名が足に大やけどを負いました。
(2)アグン山の山火事
バリ島では乾期が続いている中、10月下旬からアグン山の中腹において20カ所以上の山火事が発生し、アグン山への登山道への立ち入りが禁止されています。火災の現場はアクセスが難しい場所が多いことから消火活動は難航している模様です。
(3)狂犬病
10月31日、カランアッセム県に住む女児(9歳)が狂犬病の症状により死亡しました。同女児は、2ヶ月程前に犬に咬まれ、その後、ワクチン接種等の発症予防治療を受けていなかった由です。
狂犬病は、狂犬病ウィルスに感染した動物(犬、猿、猫、ネズミ等)に咬まれてウィルスが体内に侵入し、同部位からウィルスが徐々に神経を伝って脳へ上行し、脳炎を発症した場合にはほぼ間違いなく死に至る恐ろしい病気です。したがって、こうした動物に咬まれた場合には、狂犬病の発症を防ぐため、即刻、ワクチン接種等の治療を受けることが必要です。
(4)エボラ出血熱
10月下旬にナイジェリア又はリベリアからインドネシアへ帰国した労働者2人が、帰国後数日して発熱の症状を訴えたことから、東ジャワ州の病院で隔離されて検査を受けたところ、11月3日、いずれも陰性であることが確認されました。このように、各国でエボラ出血熱の輸入感染防止の対策が行われており、関係情報には引き続き注意が必要です。他方で、エボラ出血熱は、症状が出ている患者の体液等が傷口や粘膜から侵入することで感染するとされており、空気感染はぜず、簡単に人から人に伝播する病気ではありません。正しい知識を持って対策を行うことで感染を防ぐことができます。
3邦人事件・事故関係
(1)車上狙い被害
車上狙いの犯人は、被害者の行動(車両を離れてどこへ行くのか、所持品をどうしたのか等々)を確認し、その状況を見極めた上で犯行に及びます。最近発生した次の被害事例を参考とし、車やオートバイの車内に貴重品等を置いたままにしないよう御注意下さい。
【事例1:マッサージ中の多額現金等の盗難】
10月14日夜、クタ地区において、仕事で頻繁に当地を訪れている短期滞在者が、スパ店で30分のマッサージを受けたところ、車の後部ガラスが割られ、車内に置いてあった鞄(現金100万円、旅券、スマートフォン等々在中)を盗まれる被害に遭いました。被害者は、車から降りる際、同行の知人から鞄を携帯するよう勧められましたが、車の窓ガラスに貼ってあるスモークフィルムで外から鞄が見えず、また、少しの時間だから大丈夫だと油断し、車内に鞄を置いたままにしてしまった由です。
【事例2:サーフィン中のスマートフォンの盗難】
10月20日朝、クタビーチ沿いのコンビニ店駐車場において、邦人旅行者がオートバイを駐車してサーフィンをしていたところ、オートバイ座席下の収納部分に入れておいたスマートフォンを盗まれる被害に遭いました。海のレジャーに際しては、水に濡れないよう貴重品を車両内へ置いたままにする方が多くまた、通常はしばらく車両へ戻らないため、犯人の格好のターゲットとなります。
(2)スリ被害
10月12日夜、クタ地区の繁華街において、邦人男性旅行者が女性からマッサージを勧誘され、路地裏の暗がりへ連れ込まれた後、マッサージと称して体を触られている隙に、ウエストポーチから財布を抜き盗られる被害に遭いました。こうしたいかにも怪しい誘いには、何らかの落とし穴が潜んでいることを認識し、おかしいと思ったら、きっぱりと断ることが重要です。
4その他
査証(ビザ)免除に関する報道がなされていますが、現状は以下のとおりです。
(1)インドネシア人に対する日本査証免除12月1日からIC旅券(e-paspor)を所持し、事前に大使館或いは総領事館で旅券登録を
終えた方は、観光、親族・知人訪問、商用等で訪日する場合、滞在期間が15日以下であれば査証は不要です。
手続きの詳細は当館ホームページをご覧ください。
(2)日本人に対するインドネシア査証免除
11月7日付の新聞等において、インドネシア政府は日本を含む5カ国の国籍者に対し、来年(2015年)1月から査証を免除する旨の報道がありましたが、本件は、現時点では実施内容を含めてインドネシア政府内で検討中の状況です。