【総領事館からのお知らせ:安全対策情報等:5月】
平成26年6月13日( 総14第13号)
在デンパサール日本国総領事館
1治安情勢
インドネシア大統領選挙は、2組の正副大統領候補による選挙キャンペーンが6月4日から7月5日まで繰り広げられ、7月9日に投票が行われます。両陣営による選挙戦はすでに過熱しつつありますが、投票日翌日には判明するクイック・アカウントや7月21日又は22日の公式結果発表にかけて、結果に不満を持つ勢力による抗議活動や何らかの混乱が発生する可能性も排除されません。今後の選挙に関連した情報には引き続き御留意下さい。
2一般情勢
(1)デング熱の流行
バリ州保健局は、昨年同期に比して本年のデング熱患者数の増加に警戒を呼びかけています。デング熱は蚊が媒介するウィルス性疾患で、急激な発熱で始まり、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感を伴います。重症化してデング出血熱やデングショック症候群となると、命にかかわることもありますので、デング熱への感染が疑われる場合には、早期に病院で検査を受けることをお勧めします。また、平素からの防蚊対策による感染予防も心掛け下さい。
(2)英国人女性の殺害事件
5月22日、ウブド地区において、ヴィラに滞在中の英国人女性(52歳)が室内で刺殺されているのが発見されました。警察は、強盗殺人事件として捜査した結果、24日、犯人を潜伏先の北ジャカルタで逮捕しました。犯人は、同ヴィラ付近の建設現場で働いていた作業員で、被害者宅に強盗に押し入った際に抵抗されたため犯行に及んだ由です。家屋内に侵入する強盗や空き巣等は、刃物等の凶器を携帯している場合が多いことから、仮にこうした被害に遭った場合には、無理に抵抗せずに身の安全を最優先とした措置を講じて下さい。
(3)オートバイ乗車中の
ひったくり被害に伴う死亡事案5月17日未明、デンパサール市内において、オートバイに2人乗車の若者が走行中、後方からオートバイで追跡してきた犯人(男1名)が、鞄を強引にひったくろうとした結果、オート
バイが転落して後部乗車の韓国人女子高生(18歳)が対向車線に飛び出し、対向車線を走るオートバイと衝突して死亡する事件が発生しました。警察は、本件犯行の状況から、強盗致死傷事件として捜査しています。また、5月23日未明にも、クタ地区において、ニュージーランド人男性観光客が、オートバイで走行中にひったくりの被害に遭い、転倒して負傷する事件がありました。警察によれば、ひったくり等の犯罪は、繁華街だけでなく、深夜や周囲が暗く人気の少ない通りや地域で多発している由で、特に深夜時間帯に外出することは極力避けることをお勧めします。
(4)外国人観光客の交通死亡事故
5月26日午後10時頃、スミニャック地区において、オートバイで走行中のフランス人女性が一時停車したところ、バランスを崩して転倒し、他の車と衝突して死亡する事故が発生しました(事故の相手方は現場から逃走)。また、5月16日にも、クロボガン地区において、オーストラリア人男性が運転するオートバイが、車に追突されて重体となる事故が発生しています。
3邦人事故・事件関係
(1)ひったくり被害
5月16日午後7時頃、クタ地区において、後ろから近づいたオートバイの二人組に、在留邦人男性が鞄(パソコン等在中)をひったくられる被害が発生しました。被害者は、ショルダーバックを肩に掛けずに手に持った状態で、知人との話に気をとられていたほんの一瞬の被害であった由です。道路を歩く際には、鞄を車道側とは反対の側に持つことや、誰でも容易に手が届く位置で持ち歩かないようにするなど、常時、ひったくりに対する警戒心を怠らないことが重要です。また、銀行やATMから出た後は、ひったくり等の犯人に狙われている可能性もありますので、特に御注意下さい。
(2)オートバイでの転倒事故
5月16日深夜、在留邦人女性が、自宅付近においてオートバイで自損転倒し、頭部を強打して重傷(外傷性くも膜下出血)を負う事故がありました。翌日には同人の友人が同人を病院へ搬送して速やかな手術を受けることができたため、幸いにも一命を取り留めることができました。オートバイに乗車する場合は、必ずヘルメットを着用することはもとより、飲酒運転やちょっとした油断による事故が重大な結果につながる場合があることを認識し、安全運転に努めて下さい。
(3)犬による咬傷事案
6月3日夕方、バドゥン県において、自宅付近で遊んでいた在留邦人男児(6歳)が、肩付近を犬に咬まれる事案がありました。狂犬病ウィルスへの感染の怖れから、同男児は直ちに病院でワクチン接種を受けました。狂犬病は、狂犬病ウィルスに感染した動物(犬、猿、猫、ネズミ等)に咬まれることにより感染し、受傷・感染した部位からウィルスが1日数ミリから数十ミリの速度で神経を上行して脳へ伝わり、脳炎を引き起こして精神錯乱、麻痺、呼吸障害などを経て、死に至る感染症(発症した場合の致命率100%)です。一方で、ワクチンは有効であり、感染しても発症予防治療を受ければ発症を阻止できます。犬等に咬まれた場合は、傷口を石鹸で洗い、速やかに(脳に近い部位を咬まれた場合は特に)病院でワクチン接種等の治療を受けてください。
(4)銀行キャッシュカードのスキミング容疑事案
在留邦人が、自分の銀行口座から、身に覚えのない現金の引き出しが複数回あることに気付き、銀行へ問い合わせたところ、サヌール地区の複数個所のATMから引き出されていることが判明しました。詳細は銀行側が調査中ですが、本件はキャッシュカードのスキミングによる被害が強く疑われ、犯人が被害者に気付かれにくいよう、小額ずつ引き出していた可能性もあります。ATMで現金を引き出す際には、カード挿入口に不審な読み取り装置が装着されていないことや、周囲に暗証番号を盗み取る不審な隠しカメラがないことを御確認下さい。また、5月中旬、邦人観光客がクレジットカードのスキミング被害(買い物をした店の関与が疑われる)に遭ったとの情報も寄せられていますので、各種カードについては、「信頼できる店等での使用」「カード自体の保管管理」「暗証番号の保秘」などに留意し、定期的に利用明細を確認することをお勧めします。
以上